リウマチ初期症状

関節リウマチとは

日本での患者数が70万~100万人もいるといわれるポピュラーな病気

関節リウマチと年齢別グラフ

関節リウマチは、日本での患者数が70万~100万人もいるといわれるポピュラーな病気です。名前が知られているわりに実態はあまり理解されていないようです。お年寄りの病気と思われたり、いったんこの病気になったら治ることはない、といわれることもあります。
関節リウマチは、30代~50代の働き盛りで発症することが多く、20代の患者さんもかなりみられます。医療面では劇的に変化していて、すばらしい効果をあげる薬が次々と登場しています。また、検査法も進み、早い段階での確実な診断が可能になっています。しかし、変化の多いということは、情報量も多くなります。患者さんにとっては、かえってとまどうことも多いかもしれません。
こういうときにこそ、病気を正しく理解することが必要になります。そうすれば、情報にふり回されず、落ち着いて対処できるようになるはずです。当サイトを活用していただき少しでもお役に立てれば幸いです。

初期のシグナルを見逃さない

注意してチェックしたいポイントとなる初期症状

 
 

●ごく初期の症状は単なる疲労とみすごしやすい
●起きぬけの体のこわばりは、重要な自覚症状
●第2第3関節がはがれ、先細りになった指を要チェック

 
 
朝起きたときの「朝のこわばり」
関節リウマチは、いきなり激しい症状が出る病気ではありません。ごく初期は、食欲がない、だるい、熱っぽい、体重が減る、といった漠然とした症状が、まずあらわれます。
しかしこういった症状は、単なる疲れのためと勘違いしてしまいがちな上に、いつのまにか消えることも多く、この段階で関節リウマチに気づくのは困難です。初期のシグナルとして気を配りたいのは、「 こわばり」と「 はれ」です。
●朝起きたときの「朝のこわばり」
「こわばり」は、関節リウマチの代表的な初期症状のひとつです。朝、起き上がるときにあらわれやすく、「朝のこわばり」と呼ばれます。眠っている間に炎症によって体液がたまり、むくむためと考えられています。朝にかぎらず、昼寝のあとでも起こります。手がにぎりにくい、手足が動かしにくくぎこちない、体が重い、関節が自由に曲げ伸ばしできない、など人によって感じ方はさまざまです。
健康な人には、こういった不快感が理解しにくく、いっしょに暮らす家族からも「怠けている」と誤解されることがあるようです。こわばりは、体を動かしているうちに(体液が移動して)、徐々に消えていきますが、炎症の度合いによって違いがみられます。
炎症が軽い場合は、指を数回曲げ伸ばしするだけで、数秒でとれますが、ひどくなると午前中いっぱい、さらには一日目じゅうつづくこともあります。こわばりは、全身性エリテマトーデスなどほかの病気でもみられます。目安としては、こわばりが15分から1時間もつづく場合は、関節リウマチの可能性が高いと考えられます。

指の第2、第3関節の「はれ」

指の第2、第3関節の「はれ」
関節リウマチの「はれ」は、多くの場合、初めは指の関節に出ます。指がはれて指輪がはめられなくなり、病気に気づく人もいます。指先から数えて2つ目の第2関節と、つけ根の第3関節がはれるので、関節のところはふくらみ、先細りの、糸巻きの心棒のような独特の形(紡錘状腫脹)になります。はれている部分は赤みを帯び、熱をもって、さわるとゴムのような弾力があります。このように、関節リウマチのはれは、手の指や手首、足の指など小さな関節から始まり、しだいに足首、ひざ、ひじ、肩、股関節など四肢の大きな関節がほれてくるのが典型的なケースです。

関節炎は「左右対称」に起こる

関節炎
関節リウマチでは、関節炎の症状は「左右対称」に起こり、そのため関節のはれも左右対称にあらわれるとされています。
多くの場合は左右に出るのですが、必ずしも鏡に映したように左右対称になるわけではなく、片側だけの場合もあります。左右対称ではないから関節リウマチではないと自己判断せず、一方だけのはれでも気づいたら、医師を受診し、診断してもらいましょう。