リウマチ初期症状

関節リウマチと免疫システムの関係

ポイント

●自分を守るはずの免疫細胞が、攻撃役にまわる
●ターゲットは関節内にある滑膜
●解明が進む、サイトカインなどとの関係

関節の滑膜で起こる免疫細胞の反乱

腰痛みやはれのもとになる炎症

免疫のメカニズム関節リウマチの発症の場となるのは、関節の内側をおおう「滑膜」です。この滑膜が炎症を起こすのが滑惧炎で、関節リウマチの痛みや変形のもとになります。
炎症とは、免疫システムによる防御作用で、本来は体内に発生した異常を修復するためのものです。しかし関節リウマチの場合は、自分を攻撃する異常な免疫活動が滑膜に起こり、炎症を起こします。

免疫細胞が入り込み活発化

まず、ウイルス感染などの刺激をきっかけにして、自己反応性のリンパ球が滑膜へと流れつくところから始まります。自己反応性リンパ球は滑膜のたんばく質を抗原とし、それに対する抗体を生み出して抗原・抗体複合体をつくります。これが免疫細胞の標的になります。
滑膜には、T細胞を中心とするリンパ球やマクロファージなどの免疫細胞が入り込んできます。そこでは新たな血管がつくられ、その血流に乗って、さらに多くの免疫細胞がやってきます。T細胞は、滑膜のたんばく貿成分の受容体をもっているため活性化されて勢いづき、滑膜の細胞と刺激し合って、「炎症性メディエーター」と呼ばれるサイトカインなどの物質を大量につくり出します。

しだいに骨が破壊されていく

こうした活動によって傷つき炎症を起こした滑膜からは、おびただしい量の炎症を悪化させる物質が分泌され、関節全体がはれ上がり、痛みを起こします。
症状が進むと、軟骨の破壊が始まります。また、炎症細胞やサイトカイン、骨をとかす酵素などの有害な物質は、関節の骨や靭帯、筋肉へ広がり、さらには血液に乗って全身におよび、さまざまな障害を起こすようになります。これが関節リウマチの大まかな進行プロセスです。

炎症性メディエーターについて

炎症性メディエーターは、傷ついた組織や炎症部分に浸潤したT細胞やマクロファージから放出される生理活性物質のことで、さまざまな種類があります。
メディエーターとは調停者、媒介者といった意味で、近年、そのメカニズムの解明が進み、関節リウマチでは、炎症性メディエーターをターゲットにした治療法(生物学的製剤、)が、めざましい進歩をみせています。関節リウマチにかかわる炎症性メディエーターには、次のようなものがあります。

●サイトカイン

細胞から分泌されるたんばく質で、免疫システムにかかわります。多くの種類がありますが、特に関節リウマチの炎症に関係する重要なサイトカインは、「TNF(腫瘍壊死因子)」
「IL(インターロイキン)-1」「IL-6」の3つです。
炎症性のサイトカインには、血管をつくらせたり、リンパ球を関節に向かわせたり、T細胞や滑膜細胞を活性化する、といった働きがあります。免疫細胞や滑膜細胞の働きを強
めるので、痛みは増し、関節は熟をもってほれてきます。さらに、このサイトカインは破骨
細胞を活性化するので、関節の骨が過剰に削りとられ、関節リウマチ特有の骨びらんや強直をまねくことにもなります。

●プロスタグーフンディン

炎症や痛みにかかわる物質です。アスピリンなどの鎮痛解熱薬は、このプロスタグランディンの生成を抑えることで、痛みをやわらげる働きをします。

●補体

抗体がつくり出す血中たんばく質で、滑膜の細胞膜を壊し、炎症性サイトカインを出す作用があります。

免疫とかかわる細胞の多くは血液にある

免疫と血液.jpg

血球体細胞

●血小板

血管が破れ出血が起こると、血小板が活性化されて傷ついた部分にはりつきます。こうしてできた血栓が、出血を止めたり、血管などを修復します。

●赤血球

ヘモグロビン(血色素)というたんばく筈と鉄が結合した成分が、酸素をとり込み組織へ運びます。

●白血球

赤血球以外の血球で、色がないものです。免疫にかかわる細胞は、すべて白血球。顆粒球、リンパ球、単球に分けられ、それぞれ形や性質が異なります。
■顆粒球
・好中球
白血球の中でもっとも数が多い細胞。細菌などの異物を食べ、処理します。
・好酸球
アレルギーにかかわります。
・好塩基球
化学物質をたくわえます。
■リンパ球
異物の認識と攻撃を行う、免疫の働きの中心です。
・T細胞(Tリンパ球)
胸骨の裏にある胸腺(Thymus)というところで、自己・非自己を見分ける教育を受けます。T細胞という名は、ThymusのTからきています。リンパ球の中でもっとも多く、働きも多様です。非自己(抗原)の情報を流したり、抗体をつくるようにしむける働きもします。刺激を受けると、サイトカインをつくって放出する。
・B細胞(Bリンパ球)
T細胞から指令を受け、異物(抗原)を攻撃するための抗体をつくります。
・NK(ナチュラルキラー)細胞
T細胞やB細胞のような抗原レセプターをもたず、がん細胞や感染細胞(細菌)をとり除く特殊な働きをします。
■単球/マクロファージ
血液中にあるときは単球、血管の中がら組織へ出ていくとマクロファージと呼ばれます。大型の細胞で、細菌やウイルスをのみ込み、処理します。
■樹状細胞
木の枝のような突起を出しているので、こう呼ばれています。単球/マクロファージと似た働きをします。

血漿

(形のない液体成分)

成分の90%は水分。残りはさまざまなたんばく質や栄養分。たんばく質の中には、免疫にかかわる抗体たんばく(免疫グロブリン)や、血液凝回因子が含まれています。

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